長期、積立投資という認識が高まっていますが、投資対象としては株式ファンド一択という状況になっているように思います。まとまった資金がなければ積立でコツコツ投資というのは合理的です。ただまとまった資金をどうするか、という投資家にとっては積立というだけでは答えになりません。資産が増えてくると、同時に減らしたくない、という意思も強くなるものです。その結果銀行預金に置きっぱなしということになるわけですが、多少金利が高くなったとはいえ国内の金利では、減らないとしてもほとんど資産は増えません。そこで選択肢になってくるのが海外債券投資です。円から外貨にするだけで高い金利が獲得できます。足元ドルの外貨定期預金は5%以上になっています。リスクなく高い金利を獲得することはできないので、取ることになる一番のリスクは為替リスクです。為替リスクを極端に嫌う方は為替ヘッジ型の金融商品を選ぶケースが多いのですが、為替ヘッジにかかるコストは金利差ですから、為替ヘッジをして外貨債券や預金に投資しても利回りは円金利と同じになってしまいます。
単純化して考えてみましょう。年5%で10年投資して50%のリターンを得られるとしたら、為替で50%円安になるとリターンがなくなることになります。どこまでリスクを取れるかは人によって異なるわけですが、まとまった資産を保有している方で少し長い期間の投資が考えられるのであれば、株式だけではなく、ヘッジしないで外債ファンド投資をすることも選択肢になるはずです。ここで外債ではなく外債ファンドとしているのは、一銘柄の場合、国債ならいいですが少し利回りの高い社債などへの投資だと発行体のデフォルトリスクが大きいので、分散投資されているファンドの方がリスクを軽減できるためです