7月に入って株式市場が大きく下落し、変動率が大きくなり、為替も一気に円高に進みました。それまでの強気相場がここ1ヶ月で大きく後退すると、ニュースや市場に対するコメントも弱気なものが多くなり、投資に対する懸念も高まっている方も多いでしょう。特に新NISA開始とともに資産運用をスタートした方にとっては、それまでの含み益がなくなり不安が高まっているかもしれません。
資産運用をする場合に押さえておきたいのは、投資の景色は数ヶ月で変わるのが常であるということです。経済や企業業績も変化はしますが、基本的に1ヶ月程度で大きく変わることはありません。投資の景色が変わる要因としては、人々の心理の変化が大きい。景気の「気」は気分の「気」。右肩上がりのチャートを見ると人は強気になりやすいですし、右肩下がりのチャートには弱気になりやすいものです。
一方、大きく下がったらチャンスと考えて買い向かう勇敢な人もいますが、この行動自体は短期的なリターンを狙う投機的な行動で一般的には勧められません。
こういった心理的な揺らぎを回避するために、「ほったらかし」という考え方も方法論ありです。ただ特別な投資行動はしなくて良いのですが、なぜこのような変化が起きているのか冷静に分析することは重要です。経済や市場に確実なパターンはありませんから、大きく変化している時に何が起きているのかを考え、これからの投資に役立てていきたい。ニュースのコメントは必ずしも正しくない。自分で考えることが変化への対応力につながりますし、長期資産形成につながることは間違いがありません